GoogleAnalytics の「モバイル端末の情報」が「Acer A1-850 Iconia」になる不具合(追記あり)

2018年10月18日から2019年2月27日まで、GoogleAnalytics にてディメンション「モバイル端末の情報」の値が「Acer A1-850 Iconia」となり正しい端末の情報が計測されない不具合が発生していました。※2019年3月5日、不具合解消について追記しました。

影響の範囲

一部の Android 端末において、GoogleAnalytics で記録される以下のディメンションが、コロン右側の値になっていました。

・モバイル端末の情報: Acer A1-850 Iconia
・モバイル端末ブランド: Acer
・モバイル端末モデル: A1-850
・モバイル端末のマーケティング名: Iconia
・デバイス カテゴリ: tablet

※自分用メモとして、BigQuery スキーマのフィールド名を記載しておきます。

・device.mobileDeviceInfo: Acer A1-850 Iconia
・device.mobileDeviceBranding: Acer
・device.mobileDeviceModel: A1-850
・device.mobileDeviceMarketingName: Iconia
・device.deviceCategory: tablet

不具合を確認した手順

GoogleAnalytics にてカスタムレポートを以下のように作成しました。

期間:2018/10/18-2018/10/24
比較:2018/10/11-2018/10/17
※異常がみられたのが10/18以降のため、その前週との比較をするための設定です。

指標:セッション
ディメンション:モバイル端末の情報
フィルタ:一致,モバイル端末の情報,完全一致,Acer A1-850 Iconia

すると、下の画像の通りのレポートが表示されました。

10以上のサイトで検証しましたが、同じように 2018/10/18 以降「Acer A1-850 Iconia」からのアクセスが増加しています。

Android 用 Chrome 70 のリリースと同時期

気になる点として、この急増した「Acer A1-850 Iconia」からのアクセスは

オペレーティングシステム: Android
ブラウザ: Chrome
ブラウザのバージョン: 70.0.3538.64

と計測されていました。

この Chrome の バージョン 70.0.3538.64 は 2018年10月17日 にリリースされています。
https://chromereleases.googleblog.com/2018/10/chrome-for-android-update.html

これが、上記事象の発生日とタイミングが重なります。

そもそも User-Agent の端末名と一致しない

こちらは、Google Tag Manager 経由で User-Agent をカスタムディメンションに格納後、 BigQuery にて device.mobileDeviceInfo = “Acer A1-850 Iconia” という条件で出力したアクセスデータです。

赤字にしている User-Agent 内の端末名を見れば分かるように、本来の正しい端末名と一致していません。例えば1行目では、端末名は「SH-04H」なので、mobileDeviceInfo は「Sharp SH-04H Aquos Zeta」と計測されなければいけないはずですが、「Acer A1-850 Iconia」となっており、deviceCategoryも「tablet」となってしまっています。

この不具合についての推察

以下は推察ですが、Chrome 70.0.3538.64 のリリース後、Android ユーザーの端末情報が GoogleAnalytics 側に誤って「Acer A1-850 Iconia」として記録されるようになったのではないでしょうか。

「Acer A1-850 Iconia」からのアクセスが増加する一方で、他の Android 端末からのアクセスが減少していましたので、それであれば合点がいきます。

問題解決に向けて

現在、上記の内容を Google サポートに問い合わせています。進展があり次第、この記事に追加していきます。同じ症状が発生しているという Web 担当者の方は、ぜひコメントでお知らせいただけると幸いです。

※2018/11/21追記

Google サポートから下記の回答がありました。

指摘の通り、GoogleChrome のブラウザが更新されたタイミングで「Acer A1-850 Iconia」のアクセスが増加していました。なお、この現象は現状日本のみで報告されています。また、このデバイスが日本で販売されたかどうかは確認できていません(おそらく日本では販売されていない可能性が高いです)。

デバイスの情報はブラウザのユーザーエージェントから取得していますが、必要な情報が不足している場合は『最も近い』デバイスタイプの一致を使用します。このため、アルファベット順で最も最初にリストされる「Acer A1-850 Iconia」が便宜上表示されている可能性があります。

また、今回のようなブラウザの User-Agent 情報と、システムで保持するデバイスライブラリとの不一致の場合、GoogleAnalytics 開発部門だけではコントロールできないため、ブラウザ開発やその他の部門に変更を依頼して修正してもらう必要があるとのことです。

解決するのにまだ時間がかかりそうですね。進捗があれば、また都度報告します。

※2018/12/19追記

Google サポートから2回目の回答がありました。今回はエンジニアの方の調査報告でした。

GoogleAnalytics では、ブラウザの User-Agent の情報を参照し、Google社で定義されているデバイスの情報と照合することにより、特定のデバイスであることがレポートされる仕組みとなっています。可能な限り正確性と一貫性を保つため、この仕組みは GoogleAnalytics をはじめ、他の Google プロダクトにおけるデバイスの認識にも使用されています。

ただし、サーバーに届く User-Agent の情報が一部の情報しかない、あるいは意図的にその情報の一部が隠されている、変更されているといったケースでは、該当デバイスとの照合ができないため、最も近いと考えられるデバイスと判断されることがあります。調査の結果、今回のケースは User-Agent 文字列に通常存在するデバイストークン情報がなく、最も近いと考えられるデバイスが Acer Iconia と判断された、ということでした。

また、参照する User-Agent は、クライアントサイド(エンドユーザーのデバイス)の情報に依存するため、Google プロダクト側で上記のような状況を防いだり、過去データを修正することができません。現状できる限りの対応として、担当部署にはデバイス情報の改善リクエストをあげておきました。

ということで、ユーザーのデバイス情報と Google 側で定義されたデバイス情報との照合が修正されない限りは、今後も「Acer A1-850 Iconia」の表記のままとなるようです。すでに記録されている過去データについても、Google 側では修正することができないということでした。

Google 社内にフィードバックを挙げていただいたので、これ以上は改善されるのを待つしかなさそうです。

2019/03/05追記

Google 広告主コミュニティ にて、この問題が解決されたと報告がありました。

日本時間の2月27日20時ごろから、28日0時にかけて、Google Analytics のモバイル端末判別のロジックがアップデートされたようで、今回問題になっていた NTT ドコモや Disney モバイルの Android スマホの Chrome 70 以降の端末が「Acer A1-850 Iconia」とご判別されてしまう問題が解消されたようです。

当方も GoogleAnalytics のカスタムレポートで確認したところ、綺麗に2月28日からは「Acer-A1-850-Iconia」のアクセスが無くなっていました。

ようやく解消、といったところですね……。問題が解消されたことで、デバイスカテゴリのレポートでは「mobile」が急に増加して「tablet」が急に減少することになるので、Web担当者は戸惑わないように気を付けましょう。